高級ダウンジャケットの代名詞として知られる「モンクレール」。街を歩けば一度は目にするこのブランドですが、どこの国で生まれたのか、正確に答えられる方は少ないかもしれません。
今回は、モンクレールの生い立ちから現在の姿まで、詳しく見ていきましょう。
モンクレールの誕生秘話
モンクレールが誕生したのは1952年のこと。フランスのグルノーブル近郊にある小さな村、モネスティエ・ドゥ・クレルモンで産声を上げました。
創業者はレネ・ラミヨンとアンドレ・ヴィンセントの二人。実はラミヨン氏、1933年からキルティング生地を使った寝袋やテントを作っていた職人だったんです。フレンチアルプスのふもとという立地を生かし、登山用品メーカーとしてスタートを切りました。
ブランド名の「MONCLER(モンクレール)」は、この村の名前を短縮したもの。地元への愛着が感じられる素敵なネーミングですよね。
ダウンジャケット開発のきっかけ
面白いのが、モンクレール初のダウンジャケットが生まれたエピソード。フランス人として初めてエベレスト登頂に成功したリオネル・テレイ氏が、工場で働く従業員が着ていた防寒着に注目したことから始まります。
それは手足が出せる寝袋のような形をしていて、これを改良してアルピニスト向けのダウンジャケットが誕生したというわけです。1954年にはイタリア隊のカラコルム登頂で、1955年にはフランス隊のマカルー登頂で採用され、世界初の登頂成功に貢献しました。
モンクレール国籍の変遷
ここで気になるのが、モンクレールはどこの国のブランドなのかという点です。
イタリアへの移転
フランスで生まれたモンクレールですが、現在はイタリアのブランドとして知られています。1992年にイタリア企業となり、2003年には起業家のレモ・ルッフィーニ氏が買収。2013年にはミラノ証券取引所で株式上場を果たしました。
なぜイタリアに移ったのか。答えはシンプルで、イタリア市場での人気が圧倒的だったから。売上の半分がイタリアで生まれていたという背景があり、自然な流れで本社もミラノへと移ったんですね。
ラグジュアリーブランドへの転身
ルッフィーニ氏の手腕は見事でした。会長兼CEOでありながらクリエイティブディレクターも兼任し、細部にまでこだわったデザインでブランドイメージを一新。単なるアウトドアブランドから、パリコレクションにも登場するラグジュアリーブランドへと生まれ変わらせたのです。
モンクレール国内で人気の秘密
モンクレールが国内での人気を爆発させたのは、2005年のことでした。
木村拓哉さんがテレビドラマでモンクレールの「エベレスト」というモデルを着用したことがきっかけです。それまで日本では「ダウンジャケット=野暮ったい」というイメージが強かったのですが、優れた保温性とすっきりしたシルエットの両立が大きな話題になりました。
2011年には松嶋菜々子さんもドラマで着用し、女性層にも人気が拡大。キレイめに着こなせるダウンとして、幅広い世代に支持されるようになったんです。
モンクレールの品質へのこだわり
高級ブランドとして名高いモンクレールですが、その価格には理由があります。
最高級のダウン素材
モンクレールが使用するのは、ホワイトグースの産毛のみ。ダックダウンよりも大きく、耐久性に優れているのが特徴です。さらに、ダウンとフェザーの比率は9対1という黄金比率を守っています。
かつては「キャトルフロコン」という、フランス規格協会が認定する最高級ダウンの証が付けられていました。現在は「DIST表記」に変更されていますが、これはより厳格な品質管理システムを示すもの。動物福祉にも配慮し、強制的な餌付けやライブピッキングを完全に排除しているんです。
職人技による製造
モンクレールのダウンは、各部位ごとに1グラム単位でダウンの量が決められています。職人が一つひとつ丹精込めて作り上げるため、大量生産はできません。でも、その手間と労力こそが、モンクレールの品質を支えているんですね。
代表的な人気モデル
モンクレールには数多くのモデルがありますが、ここでは特に人気の高いものをご紹介します。
MAYA(マヤ)
光沢感のあるシャイニーナイロンを使用した、モンクレールの顔とも言えるモデル。初めてモンクレールを購入する方にもおすすめの定番アイテムです。
MONTCLA(モンクラ)
防水・撥水性に優れた実用的なモデル。タウンユースからアウトドアまで、幅広いシーンで活躍してくれます。
HERMINE(エルミンヌ)
レディースの人気モデル。ウエストを絞ったエレガントなラインが特徴で、きれいめスタイルにぴったりです。
コラボレーション戦略
モンクレールの魅力は、積極的なコラボレーションにもあります。
2018年から始まった「モンクレールジーニアス」は、毎シーズン異なるクリエイターを迎える革新的なプロジェクト。藤原ヒロシ率いるフラグメントとのコラボや、ストリートブランドのパームエンジェルス、アリクスとの取り組みなど、常に新鮮な驚きを提供し続けています。
購入時のポイント
モンクレールを購入する際は、いくつか注意したい点があります。
サイズ選び
モンクレールはヨーロッパ規格のため、日本のサイズ感とは少し異なります。迷ったら、普段より少し小さめを選ぶのがおすすめ。体に密着することで、ダウンの保温力が最大限に発揮されるんです。
正規品の見分け方
人気ブランドだけに、残念ながら偽物も流通しています。必ず12桁のシリアルナンバーを確認し、公式サイトで認証しましょう。ロゴワッペンの縫製やダウンの厚み、ファスナーの形状なども重要なチェックポイントです。
まとめ
フランスで生まれ、イタリアで花開いたモンクレール。登山用品メーカーから世界的なラグジュアリーブランドへと成長した背景には、確かな技術力と革新的なブランディング戦略がありました。
最高品質のダウン、機能性とデザイン性の両立、そして時代に合わせた進化。これらすべてが融合して、今日のモンクレールを作り上げているのです。一着のダウンジャケットに込められた歴史とこだわりを知ると、また違った魅力が見えてくるかもしれませんね。










